SCHOLE INC. | akisai 2nd album ‘images’ interview
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akisai 2nd album ‘images’ interview

空間を音楽と映像で演出する2人組パフォーマンスユニット「akisai」は、2014年3月、1st album をSCHOLEよりリリースし、新人ながら「タワレコ渋谷アワード 2014 上半期 6F 編」に選出され、その映像喚起力の高い音楽は舞台、TVなどの分野を問わず好評を受けた。前作は音楽のみのリリースとなり、映像はWEB上で公開されたが、10月10日にリリースされる待望の新作「images」にはakisai の追求する世界観の中で重なり絡み合うヴィジュアル的要素とサウンド的要素が創り上げる抽象的イメージを、別視点から再構築する事をコンセプトとした 31 分に及ぶ映像作品DVD「re:qualia」も同時収録されている。音楽だけではなく、映像によってもたらされるもの、またはその逆も然り、「akisai」というアーティストにとって新作「images」はどの様な作品なのだろうか。各楽曲、映像作品の解説も含めて話を聞いた。

akisai

東京を拠点に置く中家紘一と鈴木要による映像 / 音響プロジェクト。
個々の活動と平行して自由で実験的な作品制作の場として活動を開始し不定期に作品を発表する。
結成当初より、実写・グラフィックを重ね合わせた繊細かつ大胆で多彩なビジュアルイメージと、エレクトロニカ、アンビエント、生楽器など様々な要素を取入れた音楽性を融合させた分野の枠を超えた作品展開を続けている。
近年では実時間・即興性などを重視したパフォーマンス的要素を取り入れた新たな表現の形を構築し、視覚的要素と聴覚的要素が交差する独自の世界観に包まれた空間演出を行う。
インスタレーション作品や実験的な空間で映像と音楽の交わる企画「resonant garden」を主催する等、活動の幅を広げながら、今後も実験的な表現を追求し作品制作を継続していく中で、様々な分野に関わる表現者・空間との、感覚を共有する新たな試みも目指していく。

2014年3月、SCHOLEより1stアルバム「colors」リリース。
2015年10月、同レーベルより2ndアルバム「images」リリース。

SCHOLE : デビューアルバムから1年半経っての2作品目となりました。「images」の制作を進めるにあたって表現したい事やビジョンなどは明確にあったのでしょうか?

鈴木 : 前作からの流れを一番意識しましたね。その上で前作より単純に明るい作品が作りたいなと思いましたね。

SCHOLE : 前作も充分明るい気はしますけど…

鈴木 : 「images」を作り始める前まではそんなに明るいと思ってなかったんですよね。今振り返ると割とキャッチーだし、インパクトがあるのかなと思いますね。

中家 : 前作からの継続性を持たせつつ、新しい事も取り入れていこうという方向性の中で、軸となる曲を作るのに苦労していたよね。

SCHOLE : その軸となる曲というのは、どの曲でしょう?

鈴木 : 「mistygray」です。この曲がアルバムのハイライトだと思っているし、一番今のakisaiらしいかなとも思います。

SCHOLE : なるほど、曲ごとの解説は後ほどして頂くつもりですので、その時「mistygray」についてはお話頂くとして、話題を変えさせて頂きます。MVも作っていたりするのですか?

中家 : 今、構想を練っている段階ですが、1曲目の「cycle」と、「mistygray」どちらから作ろうか迷っています。

SCHOLE : 1曲目と言えば、始まり方の雰囲気が1stアルバムと非常に似ているなと思ったのですが、そこは意識して寄せたのでしょうか?

鈴木 : そうですね。そこは意識しました。アルバム全体の構成も1stアルバムと似る様にしています。1st、2nd両方聞いて頂いた方にはアルバムの構成を通して「akisai」らしさというものを感じて欲しいと思っていたので。

SCHOLE : 1stアルバムはデビュー前に作りためた曲をブラッシュアップしていった形になったと思うのですが、今回はどうだったのでしょうか?

鈴木 : blessは、akisaiの活動を始めた当初に作った曲でそれを今回収録用にブラッシュアップしました。他にもいくつか新曲でないものもありますね。バランスとしては4曲がimages制作前からあったので、半分弱といったところですね。その中でもutopiaが一番古くて、学生時代に作った曲を今のakisai用にアレンジし直した楽曲です。

SCHOLE : なるほど、前作と似た雰囲気を感じられる理由が分かる気がします。

中家 : 次作は全て新曲で、という事になると思います。そう考えると、今作はデビュー前のakisaiの楽曲とその後の楽曲が混じったアルバムですね。やっぱり作品として1つ出すと色々と考える事もあるので、今全ての作業が終わってから考えると1stアルバムを出したところを境目として、その前後の作品を混ぜてバランスをとるのが難しかった気はしますけどね。

SCHOLE : 1stアルバムを出してからの事を考えるとライブをいくつかやってきたと思うのですが、そのライブが楽曲制作に影響を与えた事はあったのでしょうか?確か前回のリリース時のインタビューでライブパフォーマンスを重ねるうちに映像と音楽が互いに影響し合った結果を形にしたものが「colors」になったという話がありましたが、今作はどうなのでしょうか?

鈴木 : 今回もありますね。アルバムの発表前からライブでやっていた曲は「bless」と「mistygray」と「utopia」なんですけど、ライブの最中に突然出てきたフレーズを採用したりもしてますね。ライブの音源は記録用に毎回録音しているので、聴き返すとけっこういいフレーズを弾いていたりするんですよね。

SCHOLE : そうだったんですね。前作と聞き比べて作品の幅が広がっていて、尚且つakisaiらしいポイントを客観的に理解できている気がしました。その上で鈴木さんが進みたい方向へ進んだ印象があって、「akisaiの音楽」のベースとなるものができているのでは、と個人的には感じたのですが、いかがでしょうか?

鈴木 : そうですね。今振り返ると「colors」は直球でしたね。と言うのも音楽を作っている方だったら誰でも思う事だと思うんですけど、色々詰め込みたい事があって、それを試しつつ、取捨選択していって、上手くいったものを純粋に詰めていったアルバムが「colors」だったと思います。クラシック・ジャズ・ポップスなど自分のベースにあるものをどう上手くミックスさせるか、その試行錯誤を常にしていましたね。1回リリースをする事によって、その経験があったから今作は割とスムーズに幅を広げる事ができた気がします。自分の引き出しを増やす作業と、その引き出しから出すものを組み合わせる作業がやはり前回より上手くなっていると思います。結果、自然に前作よりバラエティに富んだジャンルレスな作品になったと思います。音楽ジャンルが明確でないと「誰に向けて作っているのか」という事が分かりづらいと思うのですが、そこは気にせず「akisai」の音楽を追求していきたいと思っています。その音楽を聞いて頂いて気に入ってくれる人がいたら光栄ですね。

SCHOLE : 1つのアルバムで色々な音楽の要素が混ざり合って、その混ぜ具合も絶妙で聞いてて楽しくなってくるアルバムですよね。実は「この曲とこの曲が一緒の作品に収録されるのか」と制作段階から若干の驚きもあり、完成が楽しみでした。それでは、各楽曲、映像作品の解説をお願いしてもいいでしょうか?

1 cycle

軽やかなギターのリフで始まる、アルバムの幕開けを飾る曲。
個人的な習慣や癖、毎日乗る電車や毎日通る道、いつも買い物をする店。
何気なく繰り返される日常のイメージ。

2 bless

1stアルバムの2曲目「idearhythmical」と同じ日にできた曲。
渋めのキックとベースのアルペジオから始まるメロウな雰囲気が気に入っています。
不安定な音程を至るところで使っているので、掴みどころが無いようなちょっと不思議なイメージを醸し出す曲になっています。

3 sicilienne

今回最も録音で苦戦した曲。
中盤のフルートとトランペットのユニゾンによるメロディーがキャッチーで個人的にグッときます。
ちょっとした残酷さがあるようなおとぎ話の中に迷い込んでしまったようなイメージ。

4 euphoria

akisaiとしてまだまともに活動をしていないぐらいの初期からある曲。
元は冷んやりした感じの曲だったんですが、管楽器やガットギターを入れたら華やかで温かみのある曲になりました。
子供の頃にくたくたになるまで野山を駆け回って遊んで、いつの間にか日が落ちてて空がオレンジ色に染まっていたような、一抹の淋しさも含んだイメージ。

5 talk

フルートでメインのメロディーを吹いてみたらお洒落な感じになりました。
昼下がりの気だるい時間帯、取り留めもないおしゃべりがカラフルに繰り広げられるイメージ。最後はおしゃべりがいろんな方向に脱線していきます。

6 mistygray

今回のアルバムのハイライトとなる曲。
いろんな音がバランスよく配置できたし、曲構成やコード・メロディー・リズムの組み立て方等、今のakisaiを象徴する曲になったと思います。
特に、主旋律は今作の中で最も訴えかけるものがあると思うし、エンディング部分のようなダイナミックな展開は今後作る曲にも影響を与えそうです。
輪郭や色などがぼんやりと曖昧で抽象的な世界のイメージ。

7 ambience

フルートとエレピのユニゾンで繰り返すリフが気に入ってます。
2014年の夏に開催した自主企画イベントのトレーラー映像用に作った曲で、
この曲を聴くと、その時の会場(仙台市市民活動サポートセンター)の様子を思い出します。
壁や地面すら無い、どこまでも広がる空間のイメージ。

8 sailors

今年の春に北海道の知床に旅行に行った時にフィールドレコーディングした音を聴きながら作った曲。
知床の音は最終的に消すつもりだったんですが、違和感がなかったので残しました。
岩肌が剥き出しの荒涼とした海岸のイメージ。

9 utopia

アルバムを締め括る大円団的な曲。
10年ぐらい前に作った曲を元に、今のakisaiで再構築してみました。
人工物と自然、電子音と生楽器が調和した世界のイメージ。

DVD / re:qualia

1stアルバムはCDのみという形でしたが、akisaiは音楽と映像のユニットなので、DVDというパッケージにして届けたいという思いがありました。
2ndからblessとmistygray、1stからtheoryの3曲を選び、ひと続きの構成にしました。音楽については普段のライブに近い内容になっています。
(映像関係の解説については後ほど)

SCHOLE : ありがとうございました。そういえば鈴木さんはデモ制作を進める段階から管楽器の録音に苦労していた印象があるのですが、やはりそこが一番苦労したのでしょうか?

鈴木 : そうですね、実はデモで作っていた時に吹いたものが中々良い出来で、本番の録音をしている時にそれを越えられず苦労しました。笑
管楽器ってその日の体調とか諸々のコンディションに影響されやすくて、中々納得のいく音色・演奏にならず苦労しました。
あと、曲が揃っていく中でアルバムの構成的に欲しい曲が出てこなくて悩みましたね。こんな曲があったら、って漠然としたイメージだけあって。でも中々形にできず予想より時間がかかってしまいました。その自分自身が作った構成に頭が縛られすぎていたってこともありますね。

SCHOLE : 映像の方はどうでしょうか?

中家 : 苦労した事ですか…これからしそうですね。笑。収録させて頂いた映像作品はもう仕上がったので、今後のパフォーマンスの事を考えると、これまでとは変化をつけたいなと思っています。DVDに収録した作品については、普段のパフォーマンスとは少し違った作品をパッケージとして収める事になったので大変でしたが、自分としては初めての事で良い経験になりました。MVでもなく、普段のパフォーマンス用の映像でも無く、今回の”images”に合わせた作品を音楽と一緒に再構築してakisaiの音楽と映像の新しい価値を見い出す作業をしたつもりです。

鈴木 : 今回のこの映像作品はライブを意識しているんですかね?

中家 : MVとは差別化したかったし、ライブ時の映像は意識しつつも少し違うから中途半端な感じが自分ではしてて、少し物足りないとは思っていたけど、尺も長かったので、良い意味で力が抜けてる部分があっても良いかなと思ってたね。

SCHOLE : その感じが楽曲とも合ってて良いなと思いました。アンビエント的な部分とメロディアスな部分の溶け具合が非常に心地よかったです。

鈴木 : 今回は尺が長い事で、力が入り過ぎず丁度良い塩梅になっていますよね。

SCHOLE : 撮った映像をそのまま使うのではなく幾つかの映像と重ねたり掛け合わせたり、時には記号的にも思えるグラフィックをのせる事で重ねた映像が背景に成り得たりと、中家さんが一人で行える範囲で、しかもライブパフォーマンス時に見せる雰囲気を壊さず様々な試みを行っているなと感じたのですが、今回の作品で新たに試みた事はあったのでしょうか?

中家 : 今回もジャケットを菊地さんにお願いしたので、菊地さんの写真をみて思いついた事を試してみたり、シンプルに菊地さんの写真を使って映像を作ってみたりしました。あとは、これまで作ってきた素材をDVD用にして、必ずしもプロジェクターを通して出力するわけではないという、「試み」ではないかもしれませんが、根本的な考え方がいつもと違いましたね。

SCHOLE : 今回のアルバムを聞いて、楽曲によっては南国にいるような気分になる曲や、ちょっとした休日を連想しそうな曲などが混ざっていて、そういった雰囲気を一人一人が連想したり想像することを指して「images」というタイトルが付けられているのかと思ったのですが、いかがでしょうか?

鈴木 : アルバム制作時に自分の中で浮かんでいた絵があって、ジャケットをお願いする時にも伝えたのですが、暖色系でボヤけた様な抽象画みたいなものでした。個々の曲も前述の楽曲解説のようなイメージで作りましたが、聴く人の想像力によって色々な風景が見えてくるのかなとも思ったので、「images」というタイトルを思いついた時にはしっくりきました。前作とも繋がりが感じられるタイトルだし良いなと思いました。

SCHOLE : それでは最後に今後の展望などがありましたらお願いします。

中家 : これまで通りマイペースにライブパフォーマンスや楽曲制作・映像制作をしていくつもりです。このページでもこれまでのMVを観れると思うので、1度作品に触れて頂けると嬉しいです。

SCHOLE : ありがとうございました。

New Release Information

images / akisai

音楽と映像の美しき対話。akisai 待望のセカンドアルバム。
今作は音楽(CD)と映像(DVD)を同時封入した2枚組となっています。
初回盤限定特典として55分に及ぶ未発表作品(音源)「impression」のダウンロードクーポンを封入しています。

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