SCHOLE INC. | Itoko Toma – when the world will mix well
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Itoko Toma – when the world will mix well

どこまでもおぼろげで、記憶に留める事のできない幻夢の中。
波の音に誘われ、手を伸ばし、触れようとするも遠のいていく。
穏やかで時に厳しい海に包まれる時、呼び起こされる音楽がきっと在る。

 

おぼろ月の美しい、自分の存在も留めておけない幻夢の世界。
波の音も砂の手触りも感じる事ができるのに、この感覚は遠のいていく。
ここは夢か現か。それさえも分からない私を、海が優しく包んでいった。

SCH-049

Itoko Toma / 当真 伊都子
when the world will mix well

特製カバー付き紙ジャケット仕様
(初回盤限定音源のダウンロードクーポン付)
¥2.200(tax out)

Photobook(¥2.300)も別売、セット販売中!!

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ピアニスト・ヴォーカリスト 当真伊都子(Itoko Toma) のセカンドアルバムをリリースします。

ピアノ独奏の楽曲と、弾き語り楽曲を織り交ぜた前作からのスタイルに、室内楽的アプローチの楽曲を加え、作品としての深みを増した構成となっています。

本作は日常的に感じる事のできる「海」から多くのインスピレーションを受けて制作されています。序盤に収録されたアルバムの語り手を担う「shorebird」では、優しい歌声で海風に浮かぶ鳥を穏やかに登場させます。また、歌声を支えるピアノは低音部から高音部へと移ろうアルペジオで波の形や流れを描き、抑揚をつけず穏やかに演奏される事で、寄せては返す波のイメージを際立たせます。彼女の持ち味でもあるドリーミーで柔かな世界が表現された「fantasia」は、弦楽器が入る中間部から軽やかに視界が広がり、モチーフを刻み続けたピアノは最後に光を受けて輝く波しぶきの様に解放されます。歌を主役とした、アルバムの骨とも言える楽曲「horse from parallel」は、シンプルなコード進行がメロディーの出現や変化を引き立てます。繊細で優美な弦楽アレンジで温かな空気を纏った、緩徐楽章的に仕上げられた「when the word and the heart will mix well」、ピアノが自由に歌い、低く深く響くことで安らぎをもたらす「cantabile」で穏やかなエンディングを迎えます。

弦楽アレンジは、今作のプロデュースも兼任している小瀬村晶 (track 3)と、SCHOLEより作品を発表しているフランス人ピアニスト・作曲家のQuentin Sirjacq (track 9) が担当。 両名のこれまでの作品制作を支える、井口寛がサウンドエンジニアを、菊地慎が彼女の地元(岡山)や所縁の地で撮影した写真や映像を元にアルバムジャケットやMVを制作。当真伊都子の造り出す世界観を十二分に理解した上で、SCHOLEのフィルターを通して作品を完成させました。

Itoko Toma, a Pianist and vocalist, releases her second album.
Besides her piano solo works and original songs as same music style as her previous album, but also includes songs composed with chamber music style, which brings more taste in this album.
This album is created with many inspirations from ‘sea’ which she felt in her daily life. It begins with the song “shorebird”, which you will hear a gentle voice brings a bird floating on the sea wind. Also, a supporting piano will draw a flow of waves created with arpeggio sounds of moving from lower tones to higher tones. With this gently played piano without any intonation will show the image very clearly of the waves flowing. Her dreamy and feathery world is expressed in the track “fantasia”, the strings arrangements will widens up the view, and the motif played with piano brings the light as a sea splash. “horse from parallel”, a key track of this album, features a vocal as a major role of this song and a simple chord progression helps the enhancement of melodious sounds. “when the word and the heart will mix well”, an adagio-like composition, is wrapped with heartwarming atmosphere with the daintiness and delicate strings arrangements. The album ends with a gentleness tune of “cantabile”, with a singing of freely played piano, which echoes deeply to bring peacefulness.

For strings arrangement, track #3 done by Akira Kosemura, who is also a producer of this album, and track #9 done by Quentin Sirjacq, a French pianist and composer, who released his album under the same label SCHOLE. Also, Hiroshi Iguchi as a sound engineer who supports the previous releases of Akira and Quentin, and Shin Kikuchi creates MV and designed for album covers using the visuals taken from her hometown, Okayama. The album was produced by viewing Itoko Toma’s world through a SCHOLE filter.

2017/2/25 RELEASE

MUSIC LIST
初回生産盤限定特典情報
where the piano will lead us

1……………….. Amazing Key
2……………….. Silver Knot
3……………….. Invisible Things
4……………….. His Intelligence
5……………….. Awakening In the water
6……………….. Jolly Interval

未発表音源のダウンロードクーポンをプレゼント。

時間のうつろいに抗うことなく穏やかに紡がれるピアノの音色は、どんな時間にも寄り添うことでしょう。小瀬村晶が高音部を、当真伊都子が低音部を務めた連弾曲 ”Awakening In the water” は、まるで目の前に海が拡がるかのような、力強い演奏と多彩なハーモニーが魅力です。

MUSIC VIDEO
TEASER
team_image

当真伊都子 Itoko Toma

1977年、岡山県生まれ。倉敷市在住。
4歳よりクラシックピアノを学ぶ。11歳の時にビートルズを初めて聞き、以来クラシックと並行して、それ以外の音楽にも深く興味を持つようになる。
高木正勝の「rehome」(2003)、「sail」(2003)、「COIEDA」(2004)、小瀬村晶の「Grassland」(2010)に作詞・ヴォーカルとして参加。
2010年、1stソロアルバム「dreamtime」をリリース。
2017年、SCHOLEより2ndアルバム「when the world will mix well」をリリース。

when the world will mix well

all music and lyrics written by itoko toma

track 3 arranged by akira kosemura
track 9 arranged by quentin sirjacq

producer akira kosemura
recording, mixing, mastering engineer hiroshi iguchi
studio coordination keigo sonoda
sales promotion kazumitsu yoshida
art direction, design, artwork, photographs & website shin kikuchi
production management schole inc.

recorded at pastoral sound in september 13th &14th,2016 (except track 4)

piano and vocal itoko toma
1st violin mika shirasawa
2nd violin ryoko okouchi
viola madoka kurii
violoncello haruka hitomi
contrabass ko watanabe
pedal steel guitar yasuhiro konishi
guitar muneki takasaka

production management  schole inc.

thanks to anthology, 451books, proof of guild, my family, my friends and all things around me

when the world will mix well について / 当真 伊都子

古い記憶の話ですが…

夕暮れ時に浜辺を散歩しています。やがて日が沈むのを見届けて、夜がやってくる。
きれいな星空!星の瞬きとか、踏みしめた時の砂の感触、大好きだった潮の香り。砂の上に寝転ぶと、波の音がこんなにも大きくて近い…。

 

もはや、あれは夢だったのではと見紛うような古い記憶。とてもおぼろげなはずなのに、一つ一つ思い出すと、まるで目の前にあることのように細部まで感じられる、そんな忘れられない大切な記憶の砂浜。

 

今回の作品群を制作するにあたって、私は幾度となくその記憶の砂浜を訪ねました。
美しい眺めを求めながら歩き、笑ったり泣いたりしながら(時に怒りながら)、高らかに穏やかに震えるように、いくつものメロディーを形作りました。

 

そのようにして仕上がった作品の愛おしいこと。口ずさむ度、私の心はあの美しい眺めに包み込まれます。

 

音楽で最も素晴らしいことの一つは、他者と分かち合うことが出来るところだと信じています。私の紡いだ音があなたに心の共振を生み、一緒にあの砂浜で星空を眺められたら幸いです。

 

では、この作品が皆さまの暮らしにわずかでも良い風を吹かせられますように。

 

当真 伊都子

当真 伊都子 – when the world will mix well に寄せて / 菊地 慎

2016、7月。雨の季節の終わりを待ちわびる。ただ関東はどうやら水不足が心配されている。

 

2011年、冬から春へ向かうその時。東日本に起きた大災害から、この島国に生きる全ての人と同じように深い闇の中にいた。闇を振り払うかの様に同僚でもあり旧友の小瀬村晶の作品「how my heart sings」のアートワーク関連の仕事を終え、リリースを迎え、必死に日常生活を送ろうとしていた。リリース後には、日本ツアーと中国ツアーの予定があった。日本では企画・運営、中国では映像演出をしなければならず、目まぐるしく時が過ぎていった事が記憶に残っている。
日本ツアー岡山公演では小瀬村の「grassland(2010)」にてゲストボーカルで参加して頂いた縁から当真伊都子さんに共演をお願いした。今正直に大変申し訳ないことを承知で打ち明けると、あまり当真さんの演奏がどうであったのか鮮明な記憶がない。小瀬村の楽曲での歌声を聞いてから、そして1stアルバムを聞いてから当真さんのいちファンであったにもかかわらず。その時の自分には音楽を聞く余裕がまるで無かった事に後で気付く。
仙台公演。ご来場頂いた方々、会場の方々、力を貸してくれた友人、あの日、あの空間には様々な思いと共に音楽があった。翌日、車を借りて、季節が一つ進んだ被災地へ花を手向けに向かった。とても愛しく、慣れ親しんだ景色が文字通り水に流されていた。

 

2015年、3月。SCHOLEより作品をリリースしているアーティスト、dakota suite & quentin sirjacqの日本ツアー岡山公演の際に当真さんに再び共演の依頼をする。最近の活動が気になっていた事もあり連絡をしてみると、快く引き受けて頂けた。海外アーティストのツアーを企画する事など滅多に無く不慣れなので、とても疲れて当日を迎えた。旅の疲れを癒すように演奏を後ろで聞いていると、合間にこの様な話が聞こえてきた。

「私は朝に新聞を読むのですが、今日の新聞には東日本大震災当時、東北の方は星を眺めていた人がたくさんいた事が書いてあって、それにまつわるプラネタリウム上映があるという記事がありました。その記事を読みつつ私もあの時、テレビから流れる悲しいニュースに心を痛めつつも、星を眺めていたな、なんて思い出しました。私の楽曲には海や星、そういった自然からインスピレーションを受ける楽曲が多いので当時は歌って良いのだろうか本当に悩みました。

自分の大切な景色が無くなってしまった事を想像すると苦しくて歌えませんでした。ただあの時、日本や、世界のどこかで同じように星を見たり海を眺めたりして被災地を思っている人がたくさんいた事を考えると、繋がっているという感覚がありました。そして時間が経って、私が歌う事で少しでも誰かのために、何かのためになるのなら歌おうと前向きに思える様になった事も思い出しました。そしてこれからは自然は厳しい側面を持っているけど、やはり美しいものだということを意識して歌っていこうと思います。」
その言葉を噛み締めた時、何か痞えていたものが柔らかに解れて、久しぶりに音楽がすっと心に響いてきた事は今も忘れる事がない。
そしてその音楽がとても美しかった事も。
とてもパーソナルな出来事だったと思うけれども、あの時心に満ちた音は、誰しもが持っている悲しみ、苦しみをそのまま包み込む優しさを持っていた。波の様に戻ってくる事を許容しつつ、前へ動く思考をそっと後押ししてくれる、心地の良い余白のある音楽だった。
あの日の感動をすぐに私は言葉で伝えたかったのだけれど、上手く伝えられなかったように思う。誰にも一度はあるであろう、音楽に救われた瞬間の事だった。
同じ時代に生きて、突然多くの命が失われる事態に直面して、新しい命を迎える。どの様に向き合えば良いのか戸惑いながらも日々は過ぎていく。そんな似たような境遇を経たからか分からないが、数ヶ月後、当真さんよりセカンドアルバムの企画書を受け取る。正直、別にSCHOLEからでなくてもリリースするべきだと思った。この期間(東日本大震災から出産を経た期間)で当真さんの感情を音楽へと昇華させた作品は、誰かしらに共鳴するものがあるだろうし、誰かのためになると確信が持てた。そして当真さんの今を記録しておくのは一人の音楽家の軌跡として考えても、とても大切な事に思えた。

 

2016年、7月。デモを聞きながら、Quentin Sirjacqや小瀬村晶のアレンジが施された音楽の完成を、当真さんとお決まりの様に脇道に逸れつつも進める事を、自分からどんなイメージが出てくるのか、楽しみにしている。そう言えば、月末に当真さんの演奏が岡山であるらしいので、新幹線か飛行機のチケットと宿を予約しなければならない。

 

菊地 慎