teruyuki nobuchika
teruyuki nobuchika
研ぎ澄まされた感性が織り成すどこまでも清らかで美しいサウンドスケープ
国産フォークトロニカの新しい指標となる傑作デビューアルバムがここに。
今作品は作曲家、延近輝之によるデビューアルバム。
まず一聴して分かる通り、この作品はとてもバラエティ豊かな楽曲群によって構成された非常に興味深い作品に仕上がっている。冒頭の、環境音をアンビエンスとして効果的に使用したpolaは、現代におけるアンビエントミュージックの象徴的な役割を担っているし、その後に続くtiny fairyやin the parkは、これまでのschole作品が織り成してきた心象風景と呼応するような、とてもきめ細やかなタッチで颯爽と描かれている。また、ランダムに鳴る粒子の中を軽やかに踊るpiano bitや、綿密にプロセッシングされたギターが心地良いp2dからは、延近の持つジャンルにとらわれない芳醇な豊かさを味わうことができるだろう。
そしてなにより特筆すべきなのは、今作品のフィナーレへと続く、bagatelle no.1→reposer→nocturneである。
この最終楽章で聴かせてくれる延近の音楽に、もう余計な説明は一切必要ない。
そこにあるのは、とても人に近いところの音楽。
SCH-011
4571256410111
September 11, 2009